検索
  • Quotomy

小さな映画館の作品




突然ですが、「カメラを止めるな!」という映画観ましたか? 観てない方にネタバレするとつまらないので内容には触れませんが、絶対最後まで観てください!面白いです。 Wikipediaによると、この映画は監督&俳優養成学校がつくった作品で公開当初はその学校が配給を行っていたようです。しだいにSNS上の口コミで評判が広がることで、映画配給会社との共同配給が決まり上映拡大していった、とのこと。

たとえ小さな映画館で上映されていた映画でも、コアなファンから評価されればSNSで広がり最後は成功に至るってストーリー、それこそが映画のようで惹かれますね。


話は変わりますが、良い医療論文とは何でしょうか?

いろいろ答えがあると思いますが、そのうちの1つに「インパクトファクターが高い雑誌に載っている」があると思います。

インパクトファクター(以下IF)は「他の論文によく引用されている論文が良い論文である」という評価軸が基になっています。

投稿する論文が将来引用される回数はわかりませんので、被引用数の多い論文を掲載している「雑誌」にIFというスコアをつけているのです。

具体的には、ある雑誌が特定の期間に掲載したすべての論文の被引用回数を論文掲載本数で割って算出しています。 IFは(論文の評価というより)雑誌の影響度を数値化しているものです。



IFを提供しているJournal Citation Reports (Clarivate Analytics社)のホームページより引用

一般的に、IFの高い雑誌に載るためにはエビデンスレベルの高い研究を行う必要がありますので、エビデンスレベルにも触れておきます。


エビデンスレベルは医学的根拠の強さを示す値です。

研究領域ごとで少し内容が異なりますが、一般的に、エビデンスレベルが高いものは「システマティックレビュー、ランダム化比較試験のメタアナリシス」、低いものは「症例報告やケースシリーズ」です。

  ※ 最もエビデンスが低いものは「専門委員会や専門家の個人的な意見」です。

このようにエビデンスレベルは研究デザインを基に評価されていますが、エビデンスレベルが高い研究以外は価値がない、という意味ではありません。

例えば、専門領域によってはランダム化比較試験を行うことが倫理上難しいこともあるでしょう。(例:手術治療のアウトカムを研究するために、通常通り手術した群と麻酔をかけて皮膚切開をおいたけど手術しないで閉創した群をランダムに割り付けて比較する、という研究デザインは倫理的に不可能)

また、希少疾患に関する研究では、多くの症例がないためエビデンスの高い研究はしにくいと考えられます。


そもそも、いきなりエビデンスレベルの高い報告から世にでる医学的知見はありません

エビデンスレベルの低い症例報告などから新しい医学的発見が始まり、様々なデザインの研究を経て、最後の最後にエビデンスレベルの高い格式の高い論文が出来上がるのです。

このように先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見することを「巨人の肩の上に立つ」といいます。




IFが高い雑誌に掲載された論文が脚光を浴びているのが自然科学会の現状です。

「他の論文に引用される論文が良い論文」という評価軸は、正論だと思いますが、IFを重要視しすぎると、エビデンスレベルが高くならない重要な研究を過小評価してしまう危険性があります。



小さな映画館で上映されている映画の中にも魅力的な作品があるかも。



論文を読んだ人の口コミで、論文の評価を高めていく。

IFの低い雑誌に掲載された論文でも、たとえ症例報告のようなエビデンスレベルが低いものでも、読む人が価値を見出せば立派な作品です。

IFだけでない新しい論文の評価軸を皆さまと作りたいですね。 Quotomyは公開間近です。 ご興味のある医師の方はホームページよりユーザー登録していただけますと幸いです。

#代表ブログ #カメラを止めるな #巨人の肩の上に立つ

あなたを待っています。
 
クオトミーでは、医療研究をより身近なものするために
共に活動してくださる新たな仲間を募集しています。
​本事業に少しでも興味のある方は、ぜひご連絡ください。

© Quotomy Inc. All rights reserved.